過去への鎮魂歌。華原朋美「たのしく たのしく やさしくね」
過去の“華原朋美”を葬っている。
セルフカバーアルバム『DREAM -Self Cover Best-』の一番最後に収録されている
「たのしく たのしく やさしくね」を初めて聴いた時に、直感的にそう感じた。
壮大なオーケストラやバンドアレンジの他の曲とは異なり、
ピアノだけで、繊細に表情豊かに歌い上げるこの曲。
か細く、囁くように歌う1番は、過去の清算。
客観的にやさしい眼差しで過去を見つめ、慰め、癒している。
一転、ピアノの伴奏の力強さとともに、強い意志を帯びる2番は、未来への決意。
重い荷物を降ろしたかのように、伸びやかに歌う。
「走らなきゃ ここまでは 歩けない たのしく 泣くまで」
インタビューやMCで、
「華原朋美をもう一度やり直しているんです」と
幾度となく語っていた彼女の決意は、
このフレーズにすべて集約されているのだと思う。
絶頂の90年代、 ピッチに揺れがあったりして危なっかしかったけど、
それも含めて良さだった天性のハイトーンボイスと、
そこに被さる小室哲哉の独創的なハモり。
今思うのは、当時は作品のクオリティとしても、
微妙なブレと、奇怪なハモり。(←褒めてます!)
それが生み出す、唯一無二の絶妙なハーモニー。
表記こそないけど、つねに“with TK”。
そうでなければ成り立たなかった。あのクオリティにはならなかった。
だけど今は違う。
凛と歌い上げるその姿が、そう語っている。
もう一度、生き直す。
そう決意し、新しい夢をはじめた華原朋美を
いちファンとして応援し続けたいと思う。
たのしく泣く、その日まで。
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※11月に行われた単独ライヴの模様が、年明け1月2日にWOWOWで放送されます。
ライヴでは、セルフカバーアルバムに収録されていない
過去の曲も披露したようなので、放送に期待!
この番組を観た後にもきっと、何か思うことがあるんだろうな。
【華原朋美「DREAM ~TOMOMI KAHARA CONCERT 2013~」|WOWOWオンライン】
http://www.wowow.co.jp/music/tomomikahara/
【WOWOW】 華原朋美 「DREAM ~TOMOMI KAHARA CONCERT ...
華原朋美 - セルフカバーベスト「DREAM」 (全曲ダイジェスト) - YouTube
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しかしやっぱり、『LOVE BRACE』と『storytelling』の完成度の高さは、
凄まじいものがあるんだよなぁ。
これについては、また別の機会に。