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globe、小室哲哉、AAAをメインに、音楽、映画、広告に関するアレコレ。

僕はこう聴いた。『 #globe20th -SPECIAL COVER BEST-』全15曲の感想

聴くたびに新しい発見があるカバーアルバム

globe 20周年プロダクト第2弾『#globe20th -SPECIAL COVER BEST-』がリリースされて半月あまり。通勤の電車のなかで、職場で、家で、くりかえし聴いていますが、聴くほどにいろいろな発見があって、とてもおもしろいカバーアルバムだと感じています。そして聴き込んでいくほどに、「globeらしさとは?」「globeの本質とは?」ということに考えがおよび、そのたびに「それってやっぱりMARC PANTHERだ」という結論に達しています。

 

globeを“globeたらしめている”のはマーク・パンサーの存在

その理由は、去年の20周年の活動を通じて感じたことでもあるのですが、小室さんがソロでクラブイベントに出演し、globeの曲を流したとしてもそれはあくまでも「小室哲哉」であったし、テレビで小室さんが他のアーティストと共演してglobeの曲を演奏したとしても、それは「小室哲哉×○○○」であって「globe」ではなかった。

 

だけどFNSの特番で、小室さんとMARCがそろって「from globe」として3組のアーティストとコラボレーションしたときには、「(KEIKOはお休み中だけれど)あ、globeがコラボしている」と自然とおもえたんです。

 

だからglobeはKEIKOだけでは不十分で、そこには必ずMARCが必要であり、プロデューサーとしての小室哲哉が欠かせなくて、その3人がそろってはじめて「globe」になる。当たり前すぎて忘れがちだけど、この20周年の活動のなかで改めて思い出すことができました。(…ちょっとややこしくなるのでYOSHIKIのことは置いておきます。。)

 

globeカバーアルバムを聴く2つのポイント

そうしたことを踏まえつつ、このカバーアルバムのポイントを考えるとそれは2つあるとおもっていて、ひとつめが「MARCパートをどう歌うか」ということ。当時から「MARCパートってラップなの?」というような言説があったけど、断言できるのは、ラップというか、“MARCラップ”という独自のカテゴライズなんです、ということ。ときに歌い、ときにささやき、ときにラップする。そういう唯一無二のスタイルがMARCのラップであり、globeに欠かせない要素のひとつなのです。そういう意味で、カバーするアーティストがMARCパートをどう扱うのかということが、globe曲をカバーするということにおいてひとつのポイントだとおもうんです。

ふたつめが「いかにリフレインを飽きさせないか」ということ。小室さんの曲、特にglobeの曲はリフレインのメロディや、リフレインのフレーズが多いとおもうんですね。『Love again』にしても『FREEDOM』にしても『Joy to the love』にしても、ひたすら同じフレーズをくりかえしている。それなのに飽きないし、むしろ中毒性すら持たせてしまうのって、メロディも然ることながらボーカルKEIKOの表現力に他ならない。『Love again』あたりが特にわかりやすいですが、後半部分の「I'm fallin' Love」というフレーズは、そのフレーズごとに異なる感情が表現されていて、受ける印象も違う。決して同じ「I'm fallin' Love」ではないんですね。今でも聴くたびにすげぇとおもってしまいます。カラオケでglobeを歌ったときにどうしても間延びして聴こえてしまうのって、こうしたことが要因なのだろうとおもうんです。

 

長くなりました。以下より各曲の感想です!

 

それぞれの解釈がおもしろいglobeカバー全15曲

01. DEPARTURES / HYDE

DEPARTURES

DEPARTURES

このカバーを初めて聴いたときに、90年代J-POPをリアルタイムで生きた人なら誰が聴いてもこのヴォーカルはHYDEだとわかるし、この曲はglobeの「DEPARTURES」だとわかる。聴いた瞬間に「あのHYDEが、globeのディパチャを歌っている!」ということが驚きとともに理解できると思うんです。そういう点から考えると、ディパチャをHYDEにオファーした小室さんのプロデューサー的視点はさすが!とおもいました。

 

Remodeなど最近の音からすると意外な感じもした、生音を採用した王道のアレンジ。2人がこだわり抜いたというだけあって、今回のカバーアルバムの看板になる一曲ですね。女性ボーカルの原曲を男性がカバーしたときの違和感がまったくなく、想像以上に声と楽曲があっていて、小室さんも言及していたけど、最後のフェイクにとてもHYDEらしさがでていて良いですね。

 

 02. FACES PLACES / 木村カエラ

FACES PLACES

FACES PLACES

正直なところ初めて聴いたときはキーの低さが気になってしまったのだけれど、問題にされるべきはそこではないんですよね(そもそも原曲キーが高すぎる!)。キーの高さ勝負をしても意味がなくて、楽曲をどう表現しているか。高音キーから解放された別解釈のFACES PLACESであり、”木村カエラのFACES PLACE”になっていてすごく良いとおもいました。歌唱年によって最後の年号を変えていますが、今回のカバーではしっかりと「In 2015」と歌ってくれていて、昔からのファンとしては胸が熱くなるほど嬉しかったです。

 

03. Joy to the love / AAA

Joy to the love

Joy to the love

  • AAA
  • J-Pop
  • ¥250

完成度がずば抜けて高い曲。ドラムが印象的なバンドアレンジで、しかもそのメンバーが、ドラムにべーあん(阿部馨さん)、ギターにバンちゃん(松尾和博さん)という全盛期の頃のglobeのライブやレコーディングミュージシャンとして参加されていた方々。さらに「Additional Kyboard」として小室さんの名前もクレジットされていたので、globe純度高め。アレンジャーはAAAの楽曲に数多く携わっているats-さんなので、このメンバーの選定はats-さんによるものなのかもしれません。

 

ヴォーカルは女子メインだけど女子だけではこの厚みは生まれなくて、男子のコーラスが重要な役割を果たしているし(参加しているのはニッシーと浦田リーダーだけかな?)、日高氏のオリジナルRapもちゃんとなじんでいて、AAAの初期の曲にありそうにすら感じました(『最強Babe』的な)。女子メンバーが2人いるので、Aメロを掛けあいのように歌えるのもAAAならではですね。AAAはこれまで『Feel Like dance』『DEPARTURES』をはじめ、『恋しさとせつなさと心強さと』など小室曲をたくさんカバーしているので慣れているのが感じられるし相性もいい。ちなみに、「荒波を乗り越えたあと 優しい顔でいたい」の「いたい」の部分が、ニッシーの歌う姿が目に浮かんで好きです

 

04. Many Classic Moments / 浜崎あゆみ

Many Classic Moments

Many Classic Moments

アレンジが宇多田ヒカル『Movin’on without you』のカバーと同じ海外のプロデューサーというのもあるのか、今回のアルバムのなかでもっとも最新の音になっている曲だとおもいます。ともすれば、「意外性がない」といわれたりもしますが、小室さんの思い入れも強くファンにも人気があるこの曲を、ゆかりの深い浜崎あゆみが歌ったという事実が重要だとおもいますし、原曲を大切にしたアレンジで最新版にアップデートしてくれたことは素直に嬉しいですね。

 

05. Precious Memories / 坂本美雨 

Precious Memories

Precious Memories

原曲がピアノメインのシンプルな曲であるところに、弦楽器をフィーチャーしたアレンジ。グッと豪華になって、globeの曲で弦楽器が使われている曲は数少ないので新鮮に聴こえました。出産前最後にレコーディングされたというのもなんだかちょっといいですね。

 

06. FACE / GReeeeN

FACE

FACE

原曲にヴォーカルを重ねるというサンプリングのような手法を採用したところが、こうしたカバー企画のおもしろさですね。MARCパートを丸ごと歌い変えたかとおもいきや、最後のフレンチRAPは原曲のMARC音源を使っている点が重要で、これがあるからこそ「globe×GReeeeN」のコラボレーションだと感じられました。MARCパート、大事なんです。

 

06. Can’t Stop Fallin’ in Love / 當山みれい

Can't Stop Fallin' in Love

Can't Stop Fallin' in Love

  • 當山 みれい
  • J-Pop
  • ¥250

声質がBoAに似ていてちょっと気になる(中毒性のある)ヴォーカル。MARCパートも転調のように扱って歌っているのもうまいとおもいました。ライヴなどでもぜひ歌ってほしいですね。生でアウトロのフェイクを聴いたらゾクッとしそう。

 

07. Da-iCE / FREEDOM

FREEDOM

FREEDOM

今回のアルバムのなかでNo.1のアレンジだと感じた曲です。「よくわかってるなあ!」とおもったのは、メロディやシンセの音色はもとより、MARCパートの詞を変えず、符割を絶妙にアレンジすることで今風にアップデートしたこと。globeの初期の楽曲、特にこの『FREEDOM』や『SWEET PAIN』などはMARC RAPの印象が強く、そこを変えてしまうと“その曲らしさ”が失われてしまうとおもうんです。その点Da-iCEは、MARCパートとKEIKOパートを一度フラットにして再構築しているから、男性2人のヴォーカルでありながらKEIKOパートもMARCパートも違和感なく聴けて、あたかもDa-iCEのオリジナル曲のようにすらおもえてしまうんです。「ヘーイ」という合いの手などはすごくDa-iCEっぽいですよね。自分周辺の評判もとてもいい。一点だけ注文するとすれば、ヴォーカルの方はせっかく高音を持っているので、原曲の「Wow Wow Wow Wow Yeah」はあっても良かったのかも?

 

08. Wanderin’ Destiny / 倖田來未

Wanderin' Destiny

Wanderin' Destiny

続いてこの曲も、素晴らしい!とため息がもれてしまいそうになるカバー。Da-iCEの「FREEDOM」同様、MARCパートを歌唱フレーズのひとつとして取り入れているので、まったく違和感がない。荘厳な叙情詩の語り部のようなヴォーカルはさすがだとおもうし、これもまた弦楽器の音色がとても良く利いていて後半の間奏のチェロのソロがポイント。それにしても『Wanderin' Destiny』は個人的に『Remode1』以降、日に日に好きになっていく曲です。

 

09. Love again / 超特急

Love again

Love again

  • 超特急
  • J-Pop
  • ¥250

楽曲全体をとおして、元気いっぱいの若さあふれるイメージ。年末の単独ライヴでも披露してくれたようですが、ノリも良く元々ライヴ映えする曲なので、『CRAZY GONNA CRAZY』や『WOW WAR TONIGHT』のように次世代へと歌い継いでほしいですね。ちなみに限定8cmシングルには「カラオケバージョン」も収録されているので、無くならないうちに早めにゲットしてください(※Web販売は完売したようなので、店頭在庫で!)

 

10. Anytime smokin' cigarette / hitomi

Anytime smokin' cigarette

Anytime smokin' cigarette

  • hitomi
  • J-Pop
  • ¥250

当時KEIKOはこの曲のテーマを「怒り」だと語っていて、ライヴではとにかく荒々しく、感情を高ぶらせて歌っていたのですが、このhitomiバージョンでは、対極をなすように低温でどこか冷めた目で傍観しているヴォーカルがおもしろいですね。サビフレーズの声の重ね方がhitomiらしく、『there is…』あたりの時代を感じさせて好きです。アコギも利いていていい。雑誌「Rolling Stone」のインタビューのなかでglobeで好きな曲として挙げていたので、hitomi側からの要望だったんですかね。

 

11. SWEET PAIN / lol

SWEET PAIN

SWEET PAIN

  • lol
  • J-Pop
  • ¥250

globeのデビュー前後に生まれたメンバーで構成された若いグループ。今風の音色やリズムを多用した大胆なアレンジで、“小室曲っぽさ”を無くしているのが、こうしたカバーアルバムのおもしろさですね。Rapパートの「Era Era(エラ、エラ)」は「エルオーエル、エルオーエル」とダブルミーニングさせているんですかね。lolファンの人たちの感想も気になります。 


13. wanna Be A Dreammaker / TRF

wanna Be A Dreammaker

wanna Be A Dreammaker

  • TRF
  • J-Pop
  • ¥250

てっきり小室さんがアレンジに関わっているのかとおもったら違っていて、今のTRFがglobeをカバーするとこうです、と提示された感じがします。さすがYU-KIと感じさせるヴォーカルで、小室曲との相性の良さは抜群。元々ダークな世界観の曲だけど、それに輪をかけるように暗い!ゆえに、好き嫌いの別れるアレンジでしょうか。

 

14. Sa Yo Na Ra / 梅田彩佳NMB48

Sa Yo Na Ra

Sa Yo Na Ra

Relation tourを思い出すピアノアレンジ。声が魅力的じゃないとこんなにシンプルにはできない(もたない)とおもっていて、サビからクライマックスにかけての繊細な感情の表現が素晴らしい。原曲にはない後半の間奏でのハミングがとても利いていて、こういうちょっとしたプラスアルファにニヤニヤしちゃうし、「小室さんさすがだわー!」とおもってしまいます。小室さんによるヴォーカルディレクションのせいもあるのか、鈴木亜美の声にものすごく似ている。小室さん好みの倍音がきれいな声質なので、今後もし小室プロデュースで活動したら追いかけてしまいそうです。期待!

 

15. Feel Like dance / 小室哲哉

Feel Like dance (Piano Solo)

Feel Like dance (Piano Solo)

「メロディの美しさ」を改めて感じられるピアノソロ。否が応でもこの20年をフラッシュバックしてしまいます。シンセパッドが控えめでピアノが全面なのが良い。メドレーなどでサビだけ演奏することが多いですが、「泣ける夜の公園は〜」のフレーズがあるとグッと『Feel Like dance』らしさがでて、よりいっそう胸が締めつけられます。DOMMUNEのパフォーマンスを収めたDVDに付属されていた、ピアノコンサートの音源CDにも「Feel Like dance」が収録されていますが、序盤はオリジナルに忠実なものの、曲が進むにつれてものすっごいアレンジされている(笑)。ちなみに今回のバージョンの冒頭、クラッシックの引用はなぜ『新世界より』だったのか気になるところです。

 

以上、全曲の感想でした。

 

そのボリュームでお分かりかもしれませんが、個人的に好きなのは、Da-iCE『FREEDOM』、倖田來未『Wanderin' Destiny』、hitomi『Anytime smokin' cigarette』、梅田彩佳『Sa Yo Na Ra』でした。とはいえ、MARCパートも含めてそれぞれ自由にglobeと遊んでいておもしろいカバーアルバムだとおもいます。まだまだglobeにはたくさん素晴らしい曲があるので、第2弾を期待せずに入られません。よろしくお願いします!


1曲よりもアルバムがお得です

木村カエラ『FACES PLACES』とDa-iCE『FREEDOM』はアルバム単位でしか購入できないようで、かつ、CDのDISC2にあたるオリジナルバージョンも含めて、30曲で3,000円(一曲あたり100円)なのでアルバム購入をおすすめします!欲をいえば、ジャケットが素敵なのでCD購入が一番のおすすめです!

#globe20th -SPECIAL COVER BEST-

#globe20th -SPECIAL COVER BEST-

  • Various Artists
  • J-Pop
  • ¥3000


globe / #globe20th -SPECIAL COVER BEST-(30sec SPOT)

 

 

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